読谷村の未来像を知る5 読谷村の文化活動について

はじめに(照屋さん)

  • 今も基地のために読谷に帰れない人たちがいる。石川とか。
  • FBIS*1の問題で電気がつけられなかったりした。
  • 宇座も今だにもとの宇座に帰れない

講師 長浜真勇さん(読谷村歴史資料館館長)

■ 民人を護り(護) 国の府を佐ける(佐) 大名(丸) ■

長浜真勇さん

  • 高志保は13祝いがなくて、15祝いがある
  • 護佐丸は座喜味城・中城の二つの世界をつくった男
  • 自分達がこの文化を受け継いで、どう後世に引き継いでいくかを考える。文化構築を考える。
● 芸術は感性を育てる!
  • 座喜味城(1420年ごろ)
    • 沖縄の城は本土と比べて曲線が多い
    • 座喜味城は曲線が最も美しい
    • 7383平方メートルの面積
      • 500〜600年前の城では中規模
      • 7番目に大きい城
    • シマダトシオさん(作家)
      • 特攻隊に属したが、飛行機が故障して生き延びた
      • 奄美の方
      • 座喜味城跡に惹かれた
      • 「最初の門をくぐった不思議な空間。時の流れが立ち止まっててまった瞬間。その空間をとりまく城壁の大らかさ。」(聞き漏らしあり)*2
    • 長浜さんも島田さんのような感覚を感じたことがある
### 2.読谷村全体が舞台・展示場である
  • 座喜味城での取組み
    • オペラ
      • 空間の不思議さがイギリスの城を彷彿させた
      • 芸大のオナガツヨシ先生に「城全体がオペラの舞台と考えている」と話をしたら、「やってみましょう!」という話になった。当時助役の安田慶造氏にかけあって、なんとか予算編成して40万くらいで実施した
      • 普通、オペラというと、何千万、何億とかかかる
      • この、オペラがのちの世界遺産登録の参考資料となる
        • 世界遺産登録するには、現在もその遺産を利用しているかが重要らしい。
  • 美術館での取組み
    • 残波岬で口説(くどぅち)探訪をやった
    • 口説は100曲くらいある
    • 残波沖をとおる船を新聞からしらべたところ、コーラルウェイという会社と知り、九州の会社に電話・FAXで趣旨説明を何度もおこなって協力してもらった
    • 当日は、残波からの煙と船からの煙で合図しあった
    • 船が残波まで近づいてきて、沖のあたりでグルリと一周して感動した
  • 三線の日の取組み
    • 読谷のメーヌバンタと嘉手納のイユミーバンタ*3にあつまって、かけ唄をしあった
    • 陸と海が一体となる
    • 都屋漁港から40分かけて比謝側までやってきて、むかし行っていた流れ遊びをした
    • 流れ遊びは、船をうかべて、その上にご馳走をならべて、流れていく船の上で琉歌を楽しむ遊び
  • 展示会
### 3.伝統の中にはキラリと光る創造の芽がある
  • 流行は繰り返す
    • かつてはやったビートルズを現代の子が聴いて何かを感じるように、伝統や文化を現代の子が見て何を感じるのか?
  • 今まで見たこと、聴いたこと、感じたことの中からしか創造は生まれない
  • 細胞の1つ1つの中にものすごい創造が隠れている
### 4.交流によって文化は発展する
  • 城の使われ方
  • アシビトゥイケー*4
    • 今でいうと文化交流事業のこと
    • 昭和3年まで行われていた。村同士の交流。2日間で300名が移動した。とっても盛んな時は朝晩のまかないがでた。必ず300名にする為に、人が足りなかったら子供をおぶってでも移動した。
    • ものすごいまでのエネルギー
    • 長浜さんはいまも追いつづけている。
    • このアシビトゥイケーが中部文化圏をつくり、エイサー文化圏をつくったのではないか
### 1.村民総参加による手づくりの村づくり、文化づくりを進めている
  • 読谷祭り
    • 2日間の本番に向けて半年前、1年前からとりくむ過程にドラマがある
      • 先輩から後輩へ、大人から子供へと、バトン(生きる知恵、生きる力)が伝達されていく
    • バックボーンにある文化・風土が勇気となり自信となる
  • 商売の場所がいいところ → チグチヌユタサン(津口が良い 津口=港)
  • 中国の黄河
    • 一人一人は水の一滴である。それぞれが集って大河になる。日々の手作りの素地の中からスターができるといい。

Q&A 意見

  • 今まで、文化等には無関心だったが、リタイアしてみて文化に触れる機会をもって、体力・資金・時間をふくめて、自分が継続できる何かを持つことが大事と思いました。(T・Oさん)
    • 文化と経済は不離一体の関係にあると思う(長浜さん)
    • 継続という事に関して。最近吉屋チルーの歌碑を建てた。この碑を建てるまでに8年かかった。8年前にシンポジウムを開いた。その前には調査や研究もある。シンポジウムの報告書を作り、5周年記念「ゆしやちるぅ」を開いて、歌碑をたてた。全てが史劇「護佐丸」になった。根気よく継続したから実現し、後世に吉屋チルーというひとの歌碑を残せた。(長浜さん)
  • 地域を活性化するには、社会が成熟すればするほど文化が大事になる。(Kさん)
    • 読谷はリーフが発達している。近代に入って、宇座の石切り場の石は貴重な資源となっている
  • 沖縄の文化がゆるいできていないだろうか?と思うことがある。例えばお盆の行事であったエイサーが年中あちらこちらで行われている。レジャー的な扱いになっている体験交流などについて同思いますか?(Hさん)
    • エイサーを通じてあちこちで交流している。エイサーはお呼びでない精霊を追い払う効果もある。きちんと、エイサーをやることがどういうことか?という事をすみ分けて意識してやる事が大事だと思う。もちろん、お盆にエイサーをやらずに他でエイサーをやるとなった場合はおかしいと思う。(長浜さん)
    • 基本を忘れずに文化を伝えるのは大切だと思う。(?さん)
    • 本質論が問われだすことによって、広がったエイサーがまとめあがるのでは?(T・Oさん)
      • 裾野を広げて山を高くする*5
    • 地域で伝統行事をやる時は、その時の型やスタイル、精神的ありようを意識するように言うようにしている。今度のIDB総会みたいなときには、イベントの目的にそってやりましょうというふうに言っています(長浜さん)
  • 行政と文化センターに、文化村カルチャーパークの整備について、あとはこれをどう結びつける社会資本をつくって欲しい(?さん)
    • 城と残波や長浜の港と渡口の港を社会資本としてどう結びつけていくかは考えるところである。(長浜さん)

感想

  • 言葉と文字が一体となった方だった
  • 内容が今までで一番よかった
  • いろいろ実践された方だからだろうな
  • 知識というか体にしみついた経験をじっくりと伺えたって感じかもしれない
  • こういう人は久しぶりだなぁ

*1:何だろう?

*2:シンメトリーにとらわれず、自由奔放にのびている城壁に圧倒されたんだろうなぁ

*3:現マルチメディアセンターがあるところ

*4:エートスキーワード

*5:いい言葉だ!!